はんだゴテの種類と選び方
はんだゴテ(本体)の選定
はんだ付けの成功率を上げるためにはやはり「温度調整機能付き」のはんだゴテを使用して下さい。
写真は当社にて使用しているはんだゴテの一例ですが、温度調整機能が付いていれば写真のようにデジタル式(温度を数値で設定できる)でなくともアナログ式(温度をボリュームのつまみで調整する)でも可能です。
デジタル式をおススメします!
何となく想像がつくかもしれませんが、両者の値段を比較するとデジタル式の方が高いです。
しかし、デジタル式の方は、はんだ付けの際にコテ先の熱が母材に奪われた場合の熱回復力が早いため、安定したはんだ付けが行えます。(その辺りが値段の差になっています。)
古賀電子のように、はんだ付けを生業としている会社では、温度調整機能が付いていないはんだゴテの使用は皆無です。
市販されているはんだゴテで、1,000円くらい(下手をしたら数百円)のものがありますが、こちらは温度調整ができないため、熱不足ではんだが溶けにくかったり(特に鉛フリーはんだ)、逆に熱が高すぎて部品や基板を壊してしまったりするなど、はんだ付けがより難しいものとなってしまいますので、ちゃんとしたはんだ付けを行う場合には避けた方が良いでしょう。
古賀電子お薦めははんだゴテを2本搭載できる「ダブルタイプ」の本体
はんだゴテのコテ先は、いろいろな形状のものがあります。
ほとんどの作業は、決まった形状のコテ先を使うのですが、場面によっては、違うコテ先を使わなければならないケースがあります。
この時、少し使うだけなのに、その都度コテ先を付け替えていると、それが面倒に感じることがありますが、写真にあるような、2本のはんだゴテを付けられるはんだゴテ(本体)ですと、通常使うはんだゴテと特殊用途のはんだゴテを同時に付けられるため、場面に応じて使い分けができますので、基板実装の高度技術者集団・古賀電子はお薦めします。
コテ先の選定
はんだゴテ(本体)も重要ですが、次に重要なのが「コテ先」の選定です。
共晶はんだ(有鉛はんだ)と鉛フリーはんだ(無鉛はんだ)は、共にはんだ付けを行う時は「約250℃で3秒ほどはんだが溶けている時間を保つ」必要があります。※原理などの細かい話は割愛いたします。
しかし、それぞれ融点が異なるので(共晶はんだは183℃、鉛フリーはんだは約220℃)、はんだゴテの温度を上げてしまいがちですが、温度を上げれば上げるほどフラックスが揮発してしまい、はんだ付けが非常に難しくなってしまいます。
はんだの熱容量は、「コテ先の接触面積×時間」なので、はんだゴテの温度は一定にし、はんだ付けの際に熱不足を感じたら温度を上げるのではなく、コテ先の面積でカバーする必要があります。
コテ先の一部を以下にご紹介します。
C型 ※古賀電子おススメ!
C型と呼ばれるコテ先です。
コテ先の先端が”C”の文字のようにカット(切断)された形状になっています。
古賀電子では、このC型のコテ先をメインで使用しています。
SMD(表面実装部品)のチップ抵抗・チップコンデンサ・QFPなどへのはんだ付け、挿入部品(Dip部品・ディスクリート部品)へのはんだ付け、リード線への予備はんだなど、オールラウンドに使用できます。
古賀電子お薦めのコテ先です!
K型
K型と呼ばれるコテ先です。
その形状からナイフ型とも呼ばれています。
プロのはんだ付け職人の中には愛用者がいらっしゃるようなコテ先です。
はんだ付けを行う電極が小さい場合には、先端を上手く使用し、大きい部品にはコテ先全体が使えるため、1本でいろいろな場面に使用できるため重宝します。
古賀電子の場合、スルーホール挿入タイプの電解コンデンサを取り外す場合にこのK型を使用し、2本のリードを同時に温めて部品を外す場合などに使用します。
D型
D型と呼ばれるコテ先です。
コテ先近くまで形状が太いため、熱容量が確保しやすい特徴があります。
熱が伝わりにくい部分のはんだ付けなどに使用しますが、用途は限られます。
ペン型
ペン型と呼ばれるコテ先です。
名前の通り、ペンの形をしています。
前述したように、熱容量は「接触面積」が重要なため、このコテ先は先端が尖っているため接触面積が確保できないため、使いこなすには技術が必要です。
はんだ付けに慣れていない方にはオススメしません。
上記の他にもいろいろなコテ先がありますが、一般的なコテ先をご紹介いたしました。