お客様から頂いたお問い合わせで、基板実装に関する質問がありましたのでご紹介します。
【質問】
初めての電子工作で、半田ゴテを使って手半田付けを行いました。
…が動作しません(泣)。
手半田付けに問題があるのかと、ネット検索で調べたところ、「イモ半田」と呼ばれる半田付け状態(半田不良)に似ています(半田付け状態がイモの様にこんもりしている)。
「イモ半田」の原因と改善方法があれば教えてください。
【回答】
正常な手半田付けを行うと、下の写真のように輝きと富士山の裾野が広がった形状になります。
このことから、お問い合わせ頂いた手半田付けは、「イモ半田」と呼ばれる半田付け不良の可能性が高いです。
イモ半田になってしまった原因としては、「熱不足」が考えられるのですが、以下の原因で思い当たることはないでしょうか?
原因:
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ランド(基板のPAD)が十分に温められていない状態で糸半田を供給し、(ランドに半田が濡れ広がる前に)半田ゴテを離した。【熱不足】
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半田付けに時間がかってしまい、フラックスの効果が無くなった。【加熱のし過ぎ(オーバーヒート)】
1.半田ゴテの温度が低すぎた。(温度調整機能が付いていない半田ゴテは特に注意!)
2.半田ゴテを当てている時間が短すぎた。
いずれもホームセンターなどで購入された半田ゴテに良くありがちな、温度調整機能が付いていない半田ゴテを使用し手半田実装を行った場合に発生が多い不良です。
温度調整機能が付いていない半田ゴテだとコテ先が何℃だか分からないため、素人の方だと手半田付け不良が多発します。
「プロではないから高価な半田ゴテは要らない」という考えではなく、「プロでないからこそ、そこそこの機能が付いた半田ゴテが必要」です。
温度調整機能付きの半田ゴテを使えば、逆にプロ並みのテクニックがなくともある程度の技術をカバーできます。
「上手な半田付けのコツ」を参考に、まずは半田付けの道具選びから見直してみてください。
対策:
- 半田ゴテが充分に温まったのを確認してから半田付け作業を行う。(目安360℃)
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部品のリードとランド(基板のPAD)を効率よく加熱する。
- ランド(基板のPAD)に半田が濡れ広がったのが確認できたら半田ゴテを離す。
- ランド(基板のPAD)の濡れが悪い場合は、液体のフラックスを塗布する。
参考になれば幸いです。