お客様から頂いたお問い合わせで、鉛フリー半田を使用した基板実装に関する質問を頂いたのでご紹介します。
【質問】
鉛フリー半田を使って基板実装を行えばRoHS指令に対応しているとの考えで宜しいですか?
【回答】
鉛フリー半田を使って基板実装しただけではRoHS指令に対応することはできません。
なぜならRoHS指令には、鉛以外にも以下の物質の使用制限があるため、RoHS指令に対応するには以下の物質全てを管理しなければなりません。
RoHS指令の物質管理基準
- 鉛 :1,000ppm以下
- 水銀 :1,000ppm以下
- カドミウム :100ppm以下
- 六価クロム :1,000ppm以下
- ポリ臭化ビフェニル (PBB) :1,000ppm以下
- ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE) :1,000ppm以下
ちなみに、鉛フリーを日本語に直すと「無鉛」つまり鉛が入っていない事を意味するのですが、自然界には微量の鉛が含まれていますので、完全にゼロとすることが不可能です。
そのためRoHS指令では、上記のように1,000ppm以下の閾値が設けられています。
(鉛以外の管理物質についても閾値は異なりますが許容値が設定されています)
たまに当社のお客様でも、鉛フリー半田を使って基板実装をしていればRoHS指令に適合しているだろうとのお考えの方がいらっしゃいますが、それは誤った認識です。
RoHS指令では、上記の6物質が禁止されていますので、全てを満たさなければなりません。
基板実装や電子機器製造でRoHS指令に対応されたいとお考えの方、お気軽にお問い合わせください。