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X線CT装置を活用したLANケーブル断線調査

先日、あるお客様より以下のご相談をいただきました。

 

装置間をつないでいるLANケーブルで、接続が途切れることがあり、データが正しく取得できない。おそらく、ケーブルのどこかで断線、もしくは断線しかかっている箇所があるのではないか。貴社ではX線CT装置を導入されたと聞いたので、この装置を使って不具合箇所の特定ができないか相談したい。

(写真はイメージです)

このような課題に対し、まずは最適な調査方法を検討しました。

X線CT装置の特性と課題

X線CT装置は、対象物の内部構造を詳細に解析できる優れた装置ですが、特定の箇所を断層撮影しながら分析を進めるため、撮影に時間を要するという課題があります。また、装置自体が高価であるため、撮影コストも比較的高くなります。

お客様のご負担を最小限に抑えるため、まずは通常のX線装置を用いて、LANケーブル全体をスキャンし、異常が見られる箇所がないかを確認しました。

調査結果

X線装置による全体スキャンの結果、ケーブル本体には目立った異常は見当たりませんでした。そこで、コネクタ部分に着目し、X線CT装置を用いた断層撮影を実施しました。

 

https://www.youtube.com/shorts/cnrpAP4QLek

(本動画は、X線CT装置で断層撮影した大量の静止画像を一つにまとめたものです。コネクタ内部の構造を詳細に可視化し、不具合の原因を特定するために活用しました。)

その結果、LANケーブルのコネクタ圧着時に、特定の端子がピンから外れており、正しく圧着されていないことが判明しました。

 ただし、完全に外れているわけではなく、わずかに接触していたため、導通したりしなかったりする不安定な状態になっていたと考えられます。

「正常な端子の圧着状態(拡大図)」
青矢印部分を拡大した画像です。導線が端子にしっかりと挟まれており、正常に圧着されていることが確認できます。

 「異常な端子の圧着状態(拡大図)」

赤矢印部分を拡大した画像です。導線が端子に挟まっていないことが確認できます。

ただし、端子に接触しているため、導通したりしなかったりする不安定な状態になっていたと考えられます。

原因を特定できたことで、お客様より、

 

LANケーブルのように物量の多い解析では、まずX線装置で全体を確認し、問題がありそうな箇所をCT解析で詳細に調査する手法が効果的かつ有効です。しかし、このような解析環境を備えた実装メーカーや解析業者は、日本国内でもそれほど多くはありません。

御社の強みは、最先端の実装関連マシーンを所有し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すための評価・解析環境を自社内に構築している点にあると思います。しかし、真の強みはそれだけではなく、「実装技術に精通した先端エンジニアが集結したプロフェッショナルな集団」であることにこそあると確信しております。

 

このように、最大のご評価をいただきました。

最新設備と経験を活かした課題解決

弊社では、最新の設備に加え、経験豊富なスタッフが最適な方法をご提案し、お客様の課題解決に努めております。

今回のような精密な検査が必要なケースにも対応可能ですので、お困りの際はぜひご相談ください。